紀ノ目さんの「エルマン」2話の感想。

ムジカの消えた家族「マリアンヌ」を探す旅に出る事になる2話目。

相変わらず物語の多くは謎に満ちたままである。

「エルマン」2話 ゼロ空間発生?!宇宙に消えたオイラの家族!(2) を読んでの感想。

この作品の見せ方で上手いのは、この「謎」を残したまま読者に「愛着、親しみ易さ」を持って貰う事に成功している事だ。

ストーリー作りにおいて、「謎」を加える演出方法は定番であり、読者を引きつけるためには効果的な手段の一つではある。

しかし、「謎」だけでは時として「分かり辛さ」に繋がる事が多々ある。

作品においての「分かり辛さ」とは作品に対しての「興味」を削ぐ大きな原因になりかねない。

謎だけでは面白くない?

少し想像してみてほしい。

ミステリアスな人物はその「謎」の部分によって魅力的に見えるものだが。

あなたは、何を言っているか全然理解できない人の話に興味を持ち続けることが出来るだろうか?

凝ったSF作品や、非現実的な世界を語る時、陥りやすいミスが、この「謎」ばかりで「理解し辛い、分かり辛い、興味を持てない」だけの作品になってしまう事だ。

そうなってしまっては、折角の「謎」と言うアイテムも作者一人のただの自己満足になってしまう。

エルマンは謎を上手く使う事に成功した作品だった!

では、なぜ「エルマン」は「謎」が多いままストーリーが展開するのに「分かり辛い」作品ではなく、むしろ「愛着、親しみ易さ」を感じさせる事に成功しているのか?

その理由について書いていこう。

一つは「絵柄」

その、ほのぼのとした可愛らしい絵柄。

クレヨン、もしくはクレパスで描いたような線は、それだけで懐かしさと温か味を感じさせてくれる。

二つ目は「会話」

この会話とは、会話で使われている言葉の事を指す。

難しいSF的な会話もあるのだが、その合間合間に慣れ親しんだ言葉が出てくる。

例えば、「課長」「今日はこれで帰れると思ったのに…」などの会話がそうだ。

これらの言葉だけで、読者は「ん?何か詳しくは分からないけど、会社とか務め人的な背景があるのかな?」

「課長っていうと、上司?帰れる帰れないって?残業とか気にしてる僕らの生活にも似たルールがあるのかな?」

などの親近感を感じられる事だろう。

これがもし「課長」ではなく「エルマン宇宙規模転換形而上存在証明体」などと呼ばれていたらどうだろう?

親近感を感じるだろうか?

親近感どころか多くの読者にとって意味不明な会話になるだろう。

三つ目は「アイテム」

これは二つ目の「会話」とも少し被るのだが、課長とストリの間で「ポツッター」と呼ばれる「コミュニケーションツール」の話がやり取りされている。

これは、僕等の世界に現実にある「Twitter」を模したものであろう事は容易に想像がつく。

これらの「絵柄」、「会話」、「アイテム」によって、僕たちは謎多きエルマンの世界に親しみ易さを感じながら作品の世界へて入っていく事が出来るのだ!

そして、二話目のラストではまた新しい「謎」を読者に与えて次回へと続く構成になっている。

まとめ

「謎」と「親しみ易さ」を上手く両立させる事に物語の初期から成功した事が、この「エルマン」と言う作品の凄い所だ!

それでは「エルマン」3話目も期待して読む事にしよう。

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