ReLIFEは何故comicoの一位になれたのか考察してみた

ReLIFE 1【フルカラー】 (comico)
ReLIFEという漫画がある。

今話題の漫画アプリcomicoの公式作品であり常に人気一位をキープしているcomicoの顔とでも呼ぶべき漫画だ。(2015/12/07現在)

今回はそのReLIFEが、何故comicoで人気一位を得る作品になる事が出来たのかを考察してみたので書いてみたい。
(注・このブログ記事は物語のネタバレも含まれていますので、ネタバレを知りたくない方、ReLIFE本編をまだ読んでいない方は自己責任でお読み下さい。2016/1/13現在)

幅広い読者層からの支持を獲得する事に成功した作品

ズバリ言ってしまうと、この一言に尽きる。

幅広い読者層の獲得と言ったが、この場合は特にスマートフォンユーザーに特化した読者層と言える。(この場合はスマートフォンでアプリなどを普段から使いこなす、使い慣れている層の事を指す)
では、その読者層からの支持をどうしてReLIFEが獲得する事が出来たのかをもう少し具体的に考察していきたいと思う。

学生と社会人の両方から共感される物語

ReLIFEがヒットした最大の理由はcomicoのメインユーザーが共感できる物語にあると思う。

comicoのメインユーザーである学生と、まだ若い世代の社会人、この両者からの支持を獲得する事に見事に成功している作品。

それがReLIFEがcomicoでヒットした理由を紐解く鍵になる。

社会人であり学生である主人公

ReLIFEの主人公:海崎新太(カイザキアラタ)は27才、無職(職歴あり)の大人である。

その主人公がリライフ研究所という機関の社会復帰プログラム「リライフ」を受けることで物語が進んでいく。

その「リライフ」の方法として、主人公は高校生になって高校生活を送る事になる。

社会人から見た主人公

もう少し深く主人公の話をしよう。

この物語の主人公:海崎新太は二浪して大学に入り、その後院卒を経て社会人になる。

大学卒業後、社会人としてきちんと就職もしており、性格はどちらかと言えばお人好しの部類だ。

ここで大事なのは、主人公が特別何かで人より劣っている訳でもなければ、ごく平凡的などこにでも居るような生い立ち、経歴を送ってきた人物だと言う事だ。

エリート街道を歩んできた訳ではないが、ごく普通に居そうな、お人好しの人物。

言葉にすると、凄く一般的な社会人像な気がしてくるが、そんな主人公は現在無職なのである。

その主人公の境遇もまた、現代的であり、特に何か悪い事をした訳でもない、ごくごく一般的な学生生活、社会人生活を送ってきた人が会社を辞めてしまったり、正社員でなくなったりという話は現代では特別なケースでは無いのだ。

↓新規学卒者の離職状況の参考資料

正社員就職を目指す若者のみなさまへ |厚生労働省
正社員就職を目指す若者のみなさまへについて紹介しています。

出典:「若者雇用関連データ」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/12.html)

(2015年12月08日に利用)

このような状況からも、主人公の身の上に共感できる社会人(比較的に若い層)は多くいると考えられる。

学生から見た主人公

次に学生ユーザーから見た主人公像を考えてみよう。

本当は社会人でありながら、高校生活を送っている主人公は学生読者からすると、共感できる部分を持ちながらも社会人の目(主人公の視点)を通して自分たちの置かれている学園生活を見る視点を共有する事が出来る。

自分たちの知っている世界を、大人から頭ごなしに語られる様な気持ちにならずに、大人の視点で学園生活を疑似体験する事が出来るのだ。

ここに学生ユーザーから見るReLIFEの面白さの一端があるように思う。

本質は人間関係の物語

主人公の設定に社会人と学生、どちらの側からも共感し易くなる属性が備わっていたのは今までに書いた。

しかし、それは入り口に過ぎない。

社会人と学生の両ユーザーに共感される部分で一番大事なのは普遍的な人間関係の問題を主軸に扱っている部分にある。

更にいうとReLIFEが人間関係の再生と改善を扱っている所にあると思う。

人間関係を良くしたい、自分を変えたい(再生)などは集団の中で生きる大多数の人にとってはとても身近なテーマだ。

それは社会人も学生も共通する部分だと思う。

分かりやすい舞台設定

上の項でも触れたが、この漫画は学園生活がメインの舞台になっている。

学校を舞台にする事で、多くの説明はいらずに読者が物語に入る事が出来る。

なぜなら現代の日本では学園生活を体験している人が多いからだ。

そして、comicoの読者層で多数を占めるのが学生読者である事から、学園生活をメインの舞台にした作品が分かりやすく、また読者からの共感を生みやすいと考えられる。

現に学園生活を舞台にした漫画はReLIFEに限らず公式作品でも多数が上位に入っている。

ちょっとした謎で読者を引き込む

謎や不思議な事はそれだけで読者の関心を引く要素になる。

物語においての謎の魅力については過去の記事で詳しく触れているので関心がある方はそちらを参考にしてみて欲しい。↓

紀ノ目さんの「エルマン」2話の感想。
ムジカの消えた家族「マリアンヌ」を探す旅に出る事になる2話目。相変わらず物語の多くは謎に満ちたままである。 「エルマン」2話 ゼ...

ここで大事なのは、ただの謎ではなく、「ちょっとした」の部分だ。

謎や、不思議な設定というのは、物語に読者を引き込むスパイスになる一方で、謎が多過ぎたり複雑過ぎると、読者を引き込むどころか、分かり辛い物語になってしまい却って逆効果になる事もある。

なので、「ちょっとした」謎のバランスが大事だと言える。

ReLIFEはその謎のバランスが見事だったと言える。

ReLIFEの謎とは?

では具体的にReLIFEのちょっとした謎に触れていこう。

被験者第一号は誰?

まず、被験者第一号は誰か?という謎だ。
(これは「report112.夜明と日代の一年半」で被験者第一号が日代千鶴だと明かされた。)

主人公、海崎新太はリライフの被験者二号であり、一号の話は時々出て来るが詳細はぼかされながら語られる。

それが物語のスパイスになっており、一号は誰か?どんな過去があったのか?と読者に興味と疑問を持たせる事に成功している。

そして、第一号に関する情報が小出し小出しに読者に与えられていく。

少しづつ情報を読者に提供する事により、読者は焦らされ、そして余計に引き込まれていくのだ。

登場人物の過去

登場人物達の過去に何があったか?

これもReLIFEの謎の一つだ、リライフ研究所の夜明、主人公の海崎新太、この2人にもそれぞれ過去に何があったのか?という疑問を読者に与えている。

夜明了は過去に被験者第一号と何があったのか?

海崎新太は何故会社を辞めたのか?昔の会社で何がったのか?

これも小出しに語られていく。

謎の使い方まとめ

登場人物の過去や、物語の核になる部分を謎にしておく事、そして一度に謎を明かすのではなく、情報を徐々に読者に与えていく事で、ReLIFEは上手く「謎」をスパイスにする事に成功している。

この手法は色々な作品にも応用出来る。

交差する恋愛模様

人気の秘密として忘れてはいけないのが、登場人物達の恋愛模様だ。

comicoで人気上位を獲得するためには避けて通れないと言っても良いのが、恋愛要素だろう。

事実、comico公式の人気作品上位のReLIFE、ももくり、乙女的シンドロームや、その他上位作品には恋愛要素が多い作品が多い。

ReLFEにもこの恋愛要素がきちんと入っている。

王道を踏まえたうえで、物語が展開していくのもReLIFEの安定した人気に繋がっている。

まとめ

こうしてReLIFEを考察していくと、ReLIFEがcomicoで人気作品になるべくしてなった作品だと分かる。

媒体の読者ニーズと、王道といえるような作品作りのロジックに裏打ちされた作品。

ReLIFEは、まさにcomicoの代表作といえるだろう。

スポンサーリンク