無彩色グローイン by 鷹菜ー自分なりの色を持ったとき人は強くなれる

僕は子どもの頃から絵を描くのが好きだった。

将来は絵を描く仕事に着ければと思い、美術系の大学に受験して3浪したという苦い経験がある。

その後、絵を描く延長で漫画家を目指し漫画を描いては出版社に持ち込みをする日々が続くのだが、その時も思うように結果が出せずに、漫画や絵そのものを描くのが苦痛になってしまった時期がある。

その頃の暗澹たる気持ちと葛藤をこの作品を読んで思い出した。

好きな事が苦痛になったり、壁にぶつかって先が見えなくなる感覚は僕だけではなく、モノつくりや夢を持つ人なら多くの人が一度は経験した事があると思う。

「無彩色グローイン」はそんな気持ちに光を指してくれる漫画だ。

この漫画にとっての色とは

この作品では色を失った世界を、灰色の世界と表現している。

では、この漫画の中で扱われる「色」とはそもそも何だろうか。

パーソナリティーとしての色という表現

「色」とは、その人のパーソナリティー、目的や夢、好き嫌い、アイデンティティーなどを含めた、その人自身の存在意義という事になるのだと思う。

この漫画の主人公:伊勢谷楓音(いせや かざね)は他人からの評価や期待に応えようとして絵を描くうちに、自分を見失ってしまう。

他人の評価を自分の夢や判断の軸にしていては、いつまでも本当の意味で満たされる事はない。

夢や仕事の評価だけでなく、個人の人生もそうだろう。

これは漫画の中だけではなく、多種多様なライフスタイルが可能になった現実の社会でも「個人の幸せの基準」、「生き方」が大きなテーマになってきている。

働き方も時代と共に変化して、一つの決まった幸せの形はもはや無く、個人が様々な働き方の選択、幸せの選択をしていく時代になっている。

そういった意味においても、この漫画は非常に興味深い。

自分の色を見つける

物語のラストで主人公は灰色の世界を肯定する。

それは、他人に評価を委ねる生き方からの脱皮とも捉えられる。

ありのままの自分、ダメな自分も悩んでいる自分も、全てを自分自身が肯定した所で本当の意味での自分の存在意義が見えてくるものだ。

人生の評価軸を他人では無く、自分で作っていく事が、この作品のテーマだと僕は思う。

それが例えどんな色でも、自分で選択し、肯定できた時から、その人にしか出せない、その人自身の特別な色になるのだ。

まとめ

自分の軸を他人に委ねるのではなく、自分の人生の軸を自分で作ると決めた所から、自分の人生が特別な「色」を持つ。

その「色」はきっと何よりも力強く輝く、あなただけの特別な色になる事だろう。

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